2018年 10月 の投稿一覧

里川フライフィッシング

ゆったりとフラットな流れにラインを置く。
流れがゆっくりとラインを解いていくのを見つめる。
水面が小さく弾けた。
乗らないのは何故かと考える。
あれやこれやと自問自答を繰り返す。
駆け引きに没頭していく。

魚が大きかろうが小さかろうが。
車を長距離走らせて入り込んだ冒険の山岳渓流だろが近所の里川だろうが。
渋い時の最初の一尾には価値がある。

その一尾を流れに戻して立ち上がる。
空を見上げてハッとなる。
目覚めたように、周りの世界が自分の世界に飛び込んできた。

ジョギングやサイクリングする人が通り過ぎていく。

トンビが空高くを旋回している。

背の高い夏草の青臭さ。

畑仕事の老人がゆっくりと歩いていくのが見える。

白鷺がブロックの上からジッとチャンスを伺っている。

郵便配達のカブや宅急便のトラックが止まっては去って行く。

通りすがりの親子が川を覗き込む。

波打ちながら蛇が川を渡っていく。

すすきの穂が風に揺れる。

フォルスキャストしたフライにトンボがしがみつく。

鴨が列をなして泳ぐと、オイカワの群れが大移動してくる。

民家に温かい灯りがともり始める。

流れてくる野焼きの煙に混じって夕食の支度の匂い。

群青色の空に浮かんだ黒い山の向こうに、群れをなした鳥が飛んでいく。

僕も帰ろう。

人の生活を傍に感じながらも、多様な生物の集う場所。

経年変化を楽しむロッドケース〈The Lace Up〉

経年変化を楽しめるロッドケースが欲しかった。
ロッドをしっかりと護れて軽いこと。
バックパックに取り付け出来ること。

ハードケースに筒を探した。
軽い素材の筒は紙管とし、防水のために上からカッティングテープでラッピングした。
バックパックに取り付けするため、この筒にジャケットを着せることを考えた。
多少の筒径違いにも対応できるように、ジャケットとのフィッティングには編み上げ方式を採用した。
これなら、フライロッドでよく使われているアルミチューブにも着せることが可能だろう。
編み上げブーツの雰囲気をロッドケースに落とし込む試みとなった。

僕はブーツ好きだ。
特に8ホール以上。
ブーツレースを1通しごと丁寧に締め上げて行く度に気持ちが引き締まる。

忙しい日常でブーツを鑑賞するヒマはなかなかないものだから、編み上げている時間が1番気にしてやれる時だ。
ゴツいレザーのやれ具合を確認する。
あっ、ココに傷が出来たとか、アタリが付いてきたな、なんて成長を感じて満足する。
自分の習慣がものに移って行く。
大量生産品が自分仕様になる為に経年変化は欠かせない。
経年変化は、使い続けて育つもの。
経年に耐えうる素材であること。

このロッドケースもそんな風に育っていってほしい。

バスフライフィッシングの集い

フライフィッシングでバスを狙う。

ルアーサイズほどの大きなフライを投げてバスを釣るジャンルが存在する。
使用するフライは、こんもりしていて、カラフルでどこか愛嬌がある。

見ているだけでも楽しくなるようなフライにバスが食らいつき、ロッドが絞り込まれて、引きづり回されるのだ。
バスの力強さがダイレクトにフライラインを引く手に伝わってくる。
型の良いバスになると、出ているラインを急いで巻き取り、リールのドラグに頼ることになる。
スピニングリールと違い、フライリールはギア比1:1が多い。
ラインを出された分だけ巻き取る熱い展開に巡り合うチャンスもある。

ただでさえ少ない日本のフライフィッシング人口において、バスフライはかなりニッチなジャンルだろう。
バスフライ仲間は貴重な存在だ。

友人と一緒になって、バスフライの集いを計画した。
キャンプしながらビール片手にマニアックなタックル話や、焚き火の香りを肴にタイイングしたり、マッタリとユルイ集いである。

インスタグラムで仲間を募り、毎年1人、2人と仲間が増えている。
来年で4回目を迎える。
実に嬉しいことだ。

興味ある方は連絡を!

クライミングロープの世界観を表現する試み〈ロープトート〉

クライミングロープを使ってトートバッグを自作した。

きっかけはクライミングスクールだった。
ハーネスにでロープを結ぶ。
二重の八の字結びだ。

二本のロープが交差してはダメだと言う。
平行のまま八の字で結ばなければならない。
これを何度も練習した。
合格と判定された結びは、ロープのカラフルな色柄と相まって美しかった。

この雰囲気をトートバッグに落とし込みたかった。

バッグには厚手の帆布を使い、
入れ口周りは柔らかいレザーを一周させた。

ロープが通るループ生地の両端には銅のリベット。

何年か使用して、アタリが出る頃に完成とした。

製作は2014年の1月。

日常的に使用しているが、アウトドアショップに行くと店員は気になるらしく声をかけてくる。
11mmロープを折り返してぐるりと底を回しているため重量があり、持ち手部分はロープ4本分となる。

最近では銅リベットもすっかり変色し、帆布にはアタリも出始めて完成に近づいている。

ペグはもう無くさない〈ペグバケツ〉

ペグ、これで全部だっけ?
毎回ちゃんと数えてますか?
もうこれ以上ペグは無くしたくないから、ペグバケツを自作した。
これを製作したのはいつだったか?と自分のインスタグラム投稿を遡ったら2015年の1月だった。四年弱の間、僕はまだ一本もペグを無くしていない。

気づいたら一本無くなっていた、なんて経験はよくあることで、僕もこれまでに結構な数を無くしてきたし、残置ペグを拾ってもきた。
いつのまにか無くした数と拾った数が釣り合って合計数は足りていることもあるのだが。

キャンプに慣れてくると、自分の用途に合ったペグセットを買い出す訳で、一つでも無くなると金銭的にも精神的にもくるものがある。

どうしたら無くさないか。

抜いたら放って置かないこと。
全数足りているか毎回ちゃんと数えること。
この二つを徹底していれば、まず無くすことはない。

それを理解しながらも無くしてしまうのは、その作業が面倒くさいからだ。

そこで考えたのがペグバケツ。
帆布製のバケツ外側に30本ほどのペグが挿せる。
その差し口にペグの数だけ数字をスタンプした。もちろん手書きでも良し、ペグの種類毎に色分けも良し。

やる事はただ、抜いたペグを順番に挿し込んでいくだけ。
抜いたら直ぐ挿す。
これをする事で、抜きっぱなしの放置を防ぐ。
番号の最後まで挿し込んだら、それで全数揃っていることが分かる。

友達や家族に抜いてもらう際にも、このナンバリングは役に立つ。
一目で全数チェックが可能だ。

バケツの中にはハンマーやガイロープがドサドサ入る。

ペグセット一式を持ち運びながら、スマートにペグが打てて紛失なし。

暖色光のヘッドランプMS-B1〈マイルストーン〉

暗闇に慣れた目に優しい電球色LEDの灯り。
ライトを点けてから暗闇に戻っても目がチカチカしない。
メインの電球色の他に、白色と赤色のサブライトも装備している。
地図の細かな情報を確認したいときには白色ライトでハッキリと。
写真撮影や釣りでは赤色が役に立つ。

白色LEDライトの灯りを不快に感じたことはないだろうか?
日が沈んで黒い山の輪郭が浮かびあがる頃、目は徐々に暗闇に慣れ始める。
火に木をくべながら、焚火の香りと爆ぜる音で心は次第に鎮まっていく。
心身ともにリラックスした最高の状態だ。

だが一時的にその場を離れなければならない時がやってくる。
くべる薪がなくなって、追加の薪を探しに行くとき。
トイレに立つとき。
おかわりのウィスキーを取りに行くとき。
ライトの青白さで一気に心が冷めるとともに、脳が叩き起こされて不快な思いをする。
焚火に戻ってもしばらくの間は目がチカチカして直ぐにはリラックス状態に戻れない。

長年のそんな不快感を解消してくれたのがマイルストーンだ。
使い始めた当初は、暗闇を照らす灯りとして暖色LEDに若干の物足りなさを感じたりもした。
白色は光の強さ以上に、目に明るく感じるからだ。
同じ光の強さで白色と暖色とを比較すると、白のほうが明るく感じて、暗闇を照らすライトの役割を発揮しているように感じるが、これは慣れの問題でもあるようだ。
実際に使っていくうちに暖色でも十分に地形は把握できるし、白よりも凹凸がわかりやすい。
霧など視界が白い状態では暖色の方が見やすいのは事実だ。

寝袋に入って、テントの外から聞こえてくる自然の音をBGMに物語の世界に入る際にもお勧めだ。