ムーンライトテント2型 〈モンベル〉

軽さや広さだけでは無い、旅道具としての魅力。

このテントを見たのは僕がキャンプを再開して間もない頃。車山に続く大門峠を上がる手前の林間だった。

規則正しく林立する杉を背に、朝靄の中に佇む鮮やかな緑の三角が浮かびあがっていた。その横には黄色いフォークブーツのセローが停めてあったと思う。

車の助手席から見たその光景は、ほんの一瞬だったが、とても印象的だった。

宿も決めず行った先で適地を探して一夜を明かす。

バイクとソロテントは自由になる為のギア。

未知の世界にワクワクを覚えた。

いつか一人であんな旅に出てみたいと思った。

それ以来、その光景は自分の理想となった。

ムーンライト2を愛用して8年が経つ。

海外メーカーの軽くて広いソロテントが次々と出て来ては僕を悩ますが、一晩ムーンライト2で寝るとやっぱりコレだなと思ってしまう。

2型だから、大人二人用の設計ではあるが快適に過ごすならソロ使用。父子3人旅では、ギュウギュウながら小学生2人と大人1人で一夜を過ごしたりもしている。しかし、この使い方はビバークのツェルト並み。

一人使用なら寝るスペースのほか、ザックを置けるくらいの広さはあるし、煮炊き出来る前室もある。

入り口とその対面に設けられた三角窓は通気性に優れる。就寝スペースは最低限の室内高ではあるが、それ故に寒い季節でも一人の体温である程度の室温を保てる。

要するに、過度な快適性は無い。が、よくよく考えられた上での、実用的で真面目なテントだとつくづく思う。

佇まいが美しいということも大切な要素だ。

大きなモデルチェンジ無しで、昭和から続くロングセラーモデル。

これが日本のブランドであることを誇らしく思う。

Cargo40 〈PAAGO WORKS)

なんでも運べる気になる、遊びの可能性を広げてくれる自由パッキング。

僕の使い方だと、バックパックはそうそう買い替えるものではない。
高校の通学で使用していたLLビーンのパックは今でも現役だ。
厄介なのは、防水のためのウレタンコーティング。
ウレタンが加水分解するとベタベタ、ボロボロになり、入れたものを汚す。
LLビーンのパックも同様の症状が起こり、幾度に渡る強制的な劣化促進をさせては、粘着テープで地道に剥がす作業の繰り返し。こんな面倒くさい作業は二度とやりたくない。

このパックは思い入れある大事な愛用品。
購入当時はまだメールオーダーの時代。
メールと言ってもEメールじゃない。
ポストに投函のメールである。
本国アメリカへオーダーし、船便で揺られること3ヶ月、忘れた頃に届いた。
人生初の海外オーダーだった。
そんなパックだから、生地はまだしっかりしているのにコーティングのベタベタが酷すぎて使えなくなるなんて納得がいかなかったのだ。

その症状に気づいた時はすでに遅しで、コーティング劣化を待つグレゴリーもある。
ウレタンコーティングされたパックはもう買わないと決めた。

MacpacのAztech素材を発見し、ほとんど決めかけてた時に見つけたのが、Cargo40だった。
羽生地の付いた背負子である。
内袋が付属するが、使用者の好きなように複数の小分け袋を使用しても良いし、防水パックを組み合わせても良い。
袋を自由に選べることで購入を決定した。
目的に合わせて自由にカスタマイズが出来る。
メーカーの決めつけた何かの専用モデルでは無く、使用者に工夫の余地を残してある、そんなギアはワクワクをもたらす。背負子ならではの汎用性の高さが発揮された僕の使用例として、ヘラブナ釣りに使うヘラ台運びに役立ったことだ。
アルミ性の折りたたみ式ヘラブナ台は、重さ、サイズ共に手持ちで運べる程度ではあるが、それに加えて竿や竿掛け、餌、玉網などと道具が多い釣りだ。
ポイントを探して歩く距離が長い時は、なるべく手ぶらが良いし、バイクで釣り場までとなると、ヘラ台を車体に固定するには大きすぎる。
こうしてヘラ台を背負えることで、楽しみのフィールドが広がった。

スペックだけでは測れない、愛用のアウトドアギア

僕はアウトドアギアを選ぶ際に、次の3つを基準に物選びをしている。

1 : 機能的であること。

2 : 汎用性が高いこと。

3 : 旅のワクワクを助長させてくれるもの。

今までに色々な物を試してきて、自分が物に対してどういう人間なのかが判った。
同じもしくは似かよった用途の物は一つあればいいと言うこと。出かける時に手に取るのは、結局は決まった一つだった。
同じ用途ではあるが、その日の気分によってデザイン違いを選べる様な、遊び心ある人間では残念ながらなかった。
だから厳選した一品を選ぶことになる。複数を買わないかわりに、これだと思えるものにはたとえ多少高価であっても無理して手に入れることもあった。
そうやって手に入れたものは、長く愛用していることが多い。
スペックと価格は比例する事が多いが、3に関しては別。
これに出逢えたら幸せだ。
自分のワクワク感は一体どこからくるのか?
自分が今までに見てきたもの、体験してきたことから生まれてくる。
だから、市場に出回る量産品の中からそれを見つけられたら、とても幸運な事だと思う。
ただ、それは量産品の話で、好きな作り手に依頼して自分用に誂えてもらうことが1番の近道なのだが、まだ自分のワクワクのポイントがはっきりしていない場合もあるから、そういう場合はやはり作り手の世界観と製品に手助けしてもらうことになる。